講座4日目「総括」

総括

 今まで、三日間は墓じまい、相続、家じまいとお話をさせていただき本日はその総括として関連する部分をお話しさせていただきます。

 まず、最初に、預貯金について

 最近金融機関では、通帳と印鑑でお金をおろすことができなくなってきています。あと本人確認が必要となってきたからです。本人が銀行に行くことができればよいのですが、高齢になって病院に入院したり、痴呆が始まって本人の意思確認ができなくなってくるからです。対処の仕方として、キャッシュカードを作るのが一つの対処方法と考えられます。

 結婚していない人、結婚しているが子供のいない人の財産(土地、預貯金等)

結婚していない人は、亡くなった場合には財産は兄弟、親が生きている場合は親が相続します。一人っ子の場合は、民法上国の財産になります。このケースの場合、亡くなった人の面倒を見ていた人がいる場合は、特別縁故者という制度があり、家庭裁判所に相続人の不存在が確定して、3か月以内に申し出をすることによって、認めてもらうことが確定します。その場合すべての財産を相続できるとは限られません。一番確実なのは遺言書となります。国の財産になれば空き家となり、そのまま放置されるのみです。預貯金は、10年以上経過した時点で、銀行のものになるだけです。

 結婚して子供がいない場合は、夫または妻が亡くなったときに、亡くなった配偶者に兄弟姉妹がいた場合(親は亡くなっている)、夫または妻は、財産の4分の3、兄弟に4分の1の法定相続権が発生します。亡くなった方の名義となっている、土地、建物、預貯金のすべて、兄弟姉妹に4分の1の権利が発生します。

兄弟姉妹が亡くなっている場合は、その子供に相続権が発生します。これを代襲相続といいます。子供が亡くなった場合は、ここで相続権は消滅してしまいます。

 夫婦二人で頑張って貯めた財産であっても、子供がいない場合配偶者が全部相続できるのではなく、亡くなった方の兄弟に相続権が発生してしまいます。特に住まいが旦那さん名義になっていて、子供がいない場合は、旦那の兄弟に4分の1の権利が発生してしまいます。この権利をなくすには遺産分割協議書が必要となります。ここで兄弟がもめることが多くあります。これを防止するには、遺言書を作成しておくのが、一番良い方法だと思います。

 遺言書ですが、妻に全財産を譲ると遺言をした後、離婚をした場合は相続する権利はなくなると聞いています。遺言書を書く時には、いろいろなことを人の話を聞いて作ることが大切です。

 次に相続放棄について、前にも説明しましたが手続きとしては、相続が発生して三か月以内に家庭裁判所に申し出ることによって相続放棄ができます。

相続放棄をし、負の財産をなくすことは可能です。負の財産はないが、財産としての価値より、土地を相続したことにより固定資産税が発生したり相続するために登記をする必要が生じます。しかし土地を売ろうにも買ってくれる人がいないのが田舎の農地です。それならば相続放棄をすればよいと考えますが、一つ問題があります。民法の940条に、相続放棄をしても管理義務が生じます。

これはどういうことかというと、空き家になってそこで事故が起きた場合に、相続人に管理責任が発生するということです。空き家が壊れて燐家にに被害を及ぼしたり、行政が建物を撤去した場合は撤去費用や損害賠償を請求される可能性があります。

 マンションの場合、相続放棄をしても管理費の請求がされる可能性があります。単純に考えますと、マンションの所有者が、一人を除いて全員放棄をした場合、管理費を一人で背負うこととなります。こうした場合には管理費が膨大となり、マンションの管理ができなくなる可能性が、あるからです。

 最近は、色々な情報が週刊誌、テレビ等で流されるようになり、みなさん知識が豊富になっています。情報をうまく取り入れることが大事です。

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